危険な彼に焦がれて
信頼


学校帰り。


「お前、折那だよな」


どう見ても裏社会側の男に私は呼び止められた。


そもそも、折那を知っているとしたら、裏社会の人間しかいないけど。


「そうだけど、何。売ってほしい情報でもあるの?」


「そうだ。お前からだからこそ意味がある」


まぁ、そうでないと声をかけてこないでしょうね。


ただ問題は情報の内容。


きっと久我組のことについて聞いてくるはず。


「それは何の情報なの?」


「久我組の情報だ。お前、今久我組の情報屋になってるんだろう?だったら、久我組の弱味とか知ってるよな」


やっぱりね。


予想が当たり、密かにため息をついた。


久我組の弱味なんて正直知らないけど。


でも、たとえ知っていたとしても教えるはずがない。

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