離婚を決意したはずが、スパダリ社長の独占愛によって離してはくれません!
「……では、楽しんで行ってください」
「ありがとうございます、六條社長」
俺たちが彼らを背に歩き出すと、なぜか結城社長が焦った声で誰かと話をしていた。微かに聞こえたのは「――まだ、光寿は見つからないのかっ」と言う言葉。
確か、光寿って結城社長の愛娘の名前なんじゃなかったか?それにまだ小学生だと聞いたし、会場のホテルは大きい。
見たこともあったこともなかったのに俺は父に「少し席を外していいですか?」と問いかけ、了承を得ると顔もわからない“光寿ちゃん”を探しに大広間を出た。
きっと皆が探しているのはこの階のすべての部屋だと思う。だけど俺はこの階から一つ下の階にあるガーデン広場で遊んでいるのではないかと思った。