見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
「伊織?」

「乃愛に嫉妬してもらいたかったのに…いざそうさせたって思ったら…ごめん…そうだよな…嫉妬って嫌な気持ちだもんな…不安にもなるもんな…ごめん…」

「ううん、違うの、伊織は悪くないの」

「でも、過去の女に妬いたんだろ?」

「…ん…伊織に愛されてたんだろうな…って」

「そっか」

「でも私も、ちゃんと伊織に愛されてるって思ってるのに…」


「…過去の女は、確かにその時その時で好きな相手だったし、まぁそれなりにいたし、だから経験もそれなりにあるのは認める。その過去は変えらんないし、無かったことにもできない」

「うん…」

「けどな、俺はその過去の経験を全部、乃愛との付き合いにつぎ込みたいって思ってる。例えば…喧嘩になりそうな原因とか、どうしたらカッコよく思ってもらえるかとか、それこそ気持ちよくさせるテクニックとか。全部、乃愛と幸せに過ごすための俺の大事な武器だから」

「経験が武器…」

「あ、経験てセックスの事だけじゃなくて、付き合ってから別れるまでで学習してきたこと全部だからな」

「うん…」

「俺も…乃愛の過去に嫉妬するし不安も抱くから…乃愛の気持ちも痛いほどよくわかる。でも、俺達はこれから始まって、お互いの過去にないほど長く愛し合いながらずっと…一生…一緒に過ごしていくんだよな」

「うん…」

「過去の経験は、その幸せのためにあるんだ、って思いたいんだ」

「幸せの…ため…」

「そう、俺達の幸せのため」

「うん…」

そっか……伊織はそう考えてくれてるんだ…




「ふ、過去の女に謝らないとな」

「…え?」

伊織がニヤニヤしてる…

「みなさんに勉強させてもらったエッチなテクはまとめてぜーんぶ乃愛が独り占めしますんで、すみませんねー、って」

「な…」

「はは、顔赤いよ」

「だ、だって…」

「ふ、可愛い。…ね、乃愛?こうやってさ、それぞれの経験を持ち寄って、俺達は家族として俺達の経験を作って重ねていこう?」

家族…
そっか、そうだね、家族になるんだもんね。

「うん、ありがとう…嬉しい」

「テクの独り占めが?」

「もうっ、違う!」

「ははは、違うんだ?あれやこれやいろんなテクが独り占めだよ?嬉しくないの?いっぱい気持ちよくさせるし、いっぱいイかせられるよ?」

「だっだから、そうじゃなくて…」

「嬉しいでしょ?」

……ん…まぁそれは…私を愛して…そうしてくれるんだもんね……

「………うん…」

「あはははっ!もー…乃愛、可愛いっ!」

ぎゅうって伊織に抱き締められたと思ったら…スッと抱えられた。

え、お姫さま抱っこ?

「伊織?」

「そうと決まれば早速その技を披露しないとね」

私を軽々と抱っこしてスタスタと歩いていく。

「えっ!技?ていうかどこに…」

「やっぱベッドがいいでしょ?俺はキッチンやリビングでもかまわないけど」

「えっ、待って……本当に?これから?」

「うん、当然」
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