見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
みんなでお参りして、それぞれ御守りを買ったりおみくじを引いたりして神社で楽しい時間を過ごした後は、またご実家に戻ってティータイムを楽しんだ。

その時に、ご両親に入籍の時期や結婚式について相談した。

これが今日の本来の目的だったのに、すっかり楽しんでしまっていて忘れちゃってた。


私達は少人数の結婚式をする方向で考えていると伊織から伝えてもらったら、それは私達の好きなようにしていいと言って下さった。

「伊織が副社長だからといって結婚式を会社関係の集まりにはしたくないから、二人の希望を形にしたらいいさ」と。

「ありがとう、親父」
「ありがとうございます」

「俺も行くからね!乃愛さんのドレス見たいし!」
「アヤメものあちゃんのドレス見たーい」
「僕も見たーい」


「ふふっ、ありがとね。みんなに来てもらえたら嬉しいな」

「つーか乃愛、すっかり懐かれたな…」

「伊織もうちのケンとカイに懐かれてたよね」

「はは、そうだったな。…じゃあ俺らはそろそろ戻るか、乃愛」

「そうだね。もっと皆さんとお話ししたいけど、もうこんな時間だったね」

私達は荷物とコートを手に玄関へと向かった。


「乃愛ちゃん、今度はゆっくりしていってね。私、一緒にお買い物に行きたいわぁ」

「はい、ぜひご一緒させて下さい。今日は慌ただしくてすみませんでした。でも皆さんにお会いできて嬉しかったです」

「私達も今度、乃愛さんのご実家へ挨拶に伺うよ。伊織、乃愛さんのご家族に宜しく伝えてくれな」

「あぁ、わかってる」



そして、玄関でご両親やお兄さんご家族と挨拶をしていた時…

伊織が「あっ俺、トイレ行ってくるわ。ハル、乃愛と写真撮ってんじゃねぇぞ」って言うと同時に私の背中を軽くトンと叩いた。

そして「悪い乃愛、ちょっと行ってくる」と私に言い残しその場を離れた。

「んだよ兄ちゃん、わかってるよ」
とむくれる暖仁くんに私から言った。

「よかったら…一緒に撮る?」

暖仁くんが驚いてる。

「え、いいの?兄ちゃんダメっつったけど…」

すると瑠那さんから助け船が出た。
「乃愛ちゃんがいいって言ってくれてるんだからいーのよ。さ、スマホ貸して」

たぶん瑠那さんも伊織の気遣いに気付いてくれたんだと思う。


暖仁くんが「やった!」と瑠那さんにスマホを渡して、私の隣にやって来た。
するとすかさず湊仁くんと彩愛ちゃんも来たので、私と子供達とで撮ってもらった。

直後、瑠那さんが「私も!お母さんとみっちゃんも!」と、二人を呼び寄せ、女性だけでも撮影。

さっき皆さんと連絡先交換をしたので、私のスマホにも画像を送ってもらい、それを見ながらみんなでワイワイと賑やかにしていた。

そこへ戻ってきた伊織が「何の騒ぎ?」って笑ったから、私も「ううん、何でもないよ?」って笑った。


そしてパンプスを履くのに屈んだら彩愛ちゃんが胸元に抱きついてきた。

「のあちゃん、またきてね!おひめさまごっこしようね!」
「うん、彩愛ちゃんのお姫さま見たいなぁ。楽しみにしてるね」

なんて可愛いんだろう…
自然とニコニコしちゃう。


「それじゃ、ありがとな」
「ありがとうございました。失礼します」
一礼して玄関を出た。
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