見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
…玄関を出てすぐ、伊織が私の腰に手を回し、耳元に話しかけてきた。

「乃愛、疲れただろ?ありがとな」
伊織の優しい声が響いてドキドキする。

「ううん、すごく楽しかった。皆さんにほんとに良くしてもらったから」

「そうか?」

「うん。ふふっ」

ガレージに着くと、伊織が車の鍵をポケットから出した。

「伊織こそ疲れたでしょ?ご家族と私の間で気を遣ってくれて…ありがとね」

「そんな事してねぇよ?」

「じゃあ伊織の素の優しさなんだね、ふふ」

ほんと優しいよね、伊織……大好き。


「…そんな可愛い顔すんなよ」

そう言う伊織の色気を纏う表情にドキリとしていたら、腰にあった手が後頭部へ移り、そして唇が塞がれた。

口内に入り込んだ伊織の熱い舌が私の舌を捕らえて絡みついた。

「ん……」

いくらここがガレージで外から見えないって言っても…伊織のご実家で…こんなこと…

でも…
その背徳感に気持ちが昂ってしまう…



どのくらいの時間が過ぎたのか…
ようやく伊織が私の舌を離した。

キスが気持ちよくて…嬉しくて…
「…伊織……大好き」
って、スッと口から気持ちが漏れた。


すると伊織が私をぎゅうっと抱き締めた。
「やべぇ…乃愛が可愛いすぎる」

「…ありがとう、伊織」

「ん……じゃあ帰るか」

「そうだね。一人で運転させちゃってごめんね。お願いします」

「だからそれは平気だって。俺がしたくてやってんだから、な?」

「ふふ、ありがとう。大好き!」

「俺もすげぇ大好き!」

帰りの車中で伊織に「眠かったら寝ててもいいからな」って言われたけど、私は伊織と話してたかったからずっと起きて話してた。
本当に伊織と話してるのが嬉しくて楽しくて。


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