見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
「乃愛?どうした?」
「…あっ、ごめんね、なんでもないよ」
つい考え込んじゃった。
「…ん、じゃあそれは後で聞かせてな。で、婚約指環だけど。これなんてどうかな?俺は好きなデザインだし、何より乃愛に似合うと思うんだけど」
と、伊織が一つのリングを指差した。
…早速それを試す時が来るのかな。
もし「私の趣味と違うな…」って思ったら、ちゃんと言えるかな…
という心配は杞憂に終わる。
「わ!…かわいい……すっごく綺麗……ダイヤがキラキラ…」
そこにはプラチナのリングに一粒のダイヤというシンプルなものではあるんだけど、どこか優しい雰囲気がして可愛らしく見えた。
「だろ?絶対、乃愛に似合うと思ったんだ」
そう言う伊織はちょっとドヤ顔。
「こちらのリングは今つけていただいてるリングと同じシリーズのものなので、重ねづけしても違和感ないですし、また違った表情で綺麗に映りますよ」
そうお話ししながら店員さんがそのリングを出してくれた。
…間近で見るとライトの乱反射でダイヤが細かくキラキラして眩しい…
「なるほど、それでこのリングも乃愛に似合うと思ったのか。同じシリーズなら納得だな。これ、乃愛のイメージだもん。乃愛、つけてみよ?」
と言われて、まずは単独で。
わわわ…
こんなすごいダイヤの指環なんて緊張する。
でも…
「わぁ…綺麗…」
息を呑むほどの美しさ、ってこういうのを言うのね…
「パッと見はすげぇ大人っぽいのに、こうして見ると可愛いな。うん、似合う」
伊織の表情でそれは嘘ではないとわかる。
「じゃあ二つ一緒につけてみよ?」
と言われて、ピンクゴールドのリングを先に、それからダイヤのリングをはめてもらうと…
「お!すげぇ…ほんと雰囲気が変わるのな、さっきより可愛くなった。マジで似合うわ。…乃愛はどう?」
「ん…すごく素敵…それに、すごくしっくりくる…」
初めて着けるのに、とても馴染んでるのが不思議…
「じゃあこれに決まりだな。よかった、俺の選んだのを気に入ってくれて」
伊織が私の頭を撫でながら言う。
その表情がとっても嬉しそうなのが嬉しくて。
「ありがとう、伊織。すごく嬉しくて…ほんとに言葉がないよ…」
ちょっと涙目になっちゃった。
「結婚指輪と婚約指輪の重ねづけは『永遠の愛をロックする』って意味もあるんですよ」
店員さんが私達が外したリングを扱いながら、そう教えてくれた。
「へぇ、それはいいな。俺の想いそのまま」
頭を撫でられたまま、顔を覗き込まれる。
「ふふっ、嬉しい」