見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
無事にイタリアンレストランで食事をし、午後は目的のないショッピングをしたりカフェでお茶したり。

「夫婦になって初めてのデートだね」とずっと手を繋いで、二人の薬指に光るリングに幸せを噛み締めながら幸せな時間を過ごした。



そして夕刻。

一度家に戻り伊織に買ってもらったワンピースとアクセサリーを身につけた後に連れてこられたのは〝ラピスニューグランドホテル〞の最上階にあるレストラン。

係の人に案内された半個室のテーブル席に向かい合って座る。



ここって、お高いホテルだよね…

その最上階のレストラン…?
そんなすごいところでディナー…?


昼間の装いにネクタイとジャケットをプラスした伊織の大人っぽい姿にドキドキするんだけど、緊張の意味でもドキドキしている。

「ふ、そんなに固くならなくても」
って伊織は笑うけど。

「だって…こんなすごいとこ来たことないし…」
緊張の面持ちのまま答える。

「連れてきたのは俺が初めて?」

「うん」

すると「ははっ、うれし」と優しく笑う。

「伊織は…こういうレストランとか、前はよく行ってたの?」

「…んー、そうだな、よくでもないけど」

「そうなんだ」
大人だなぁ…

「でも、俺が店を選んで、こうしてエスコートしたのは初めてだからな」

「え?…どういうこと?」

「元カノってみんな年上だったろ?だからやたら高い店とかよく知っててさ、連れていかされたのばっか。で奢らされるってゆーな。ま、俺も若かったから、それをスマートにできてこそ大人の男みたいに思っててさ。今思えば恥ずかしいくらいバカみてぇだけど」

「そっかぁ…」

「だから実は俺もドキドキしてたりするってゆうな」

「うそぉ、見えないよ、全然」

「はは、見せないようにしてる。たまにはカッコつけさせて」

「伊織はいつだってカッコいいよ」
ほんとだよ、ふふっ。

「…こんな可愛い乃愛に言われるとたまんねぇな」

テーブルに肘をついて頬を支える姿勢なだけなのに…とても大人の伊織がカッコよくて、緊張ではない方のドキドキにキュンキュンが加わる。

…それは私を見る伊織の甘い眼差しのせいもある。

もう緊張はどこかに行ってしまって、伊織に対するドキドキだけになっちゃった。

「…なんか乃愛がすげぇ可愛い」

ふ、と甘い眼差しのまま笑う。

あぁ…もうこれだけで胸がいっぱい…

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