見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~

「ごめん、俺は肩を組んだつもりで…」

「肩を組んだ…?」

「クロエのこと、マシューから聞いただろ?…当時はマジで少年みたいで、正直俺も少年扱いしてた、失礼な話だけど。今日久しぶりに会って、外見が変わってても俺にとってはクロエはその時の…弟のままで…昔と同じ感覚で肩を組んでた。でも端から見ればクロエは大人の女性だもんな……肩を組んでるなんて誰も思わないよな……それは本当に軽率だったって反省してる」

「そうだったんだ……」

「それと…クロエの家に入った理由……乃愛が思った通りだよ、おじさん達に挨拶しようと思って。それで顔出して挨拶だけして帰ろうと思ったら〝少し出かけてるみたいだから待とう〞って言われた。だったら時間もないしまたの機会に、って帰ろうとしたら、コーヒー飲む時間だけでも待ってくれって言われて。…何の感情もないとはいえ、二人きりでいるのは何か嫌だったけど、数分ならまぁいいか、って。それも考えが甘かったんだけど…。で、そしたらクロエがほぼ裸で現れて………はぁ…」
思い出して髪の毛をガシガシと掻く。

「ん…」

「もう一度ちゃんと弁解させて。…クロエがその姿で現れて、抱いてほしいって言ってきたんだ。だから俺はすぐに顔を背けてずっと断ってた。で、埒が明かないから帰ろうとした時に、一度でいいから、って俺の前に出てきたと思ったら腕を引っ張られて。その向きが悪くてその場で踏ん張れなくて、倒れそうになった時とっさに手をついたのがソファの背もたれ部分で……そこを乃愛とマシューに見られたんだ。俺はその時にクロエがどこにいたかなんてわからなかったし、本当にあの体勢は偶然なんだ。…俺、嘘は一つも言ってないからな」

「ん…信じてるよ、その話も。……あのね、マシューと一緒に呼びに行ったら玄関のドアが少し開いていて、中から話し声が聞こえてたの。大きな声でそんな話を言い合ってたから、マシューが私に『イオリが危ない!』って言って、一緒に入って…それがあのタイミングだったの」

「そうだったのか…」

「だから、伊織が拒否してたのはわかってたよ」

「そっか、ありがと」


「……だから……伊織は悪くないのに一人でずっとぐちゃぐちゃしてて……でも伊織の目を見たら……感情が溢れ出てきちゃいそうで……ずっと伊織を見れなかった……だから…この感情を自分の中で消化するまで…」

「俺を見ないつもりだった、と」

「…ん……」



そっか……

…全部俺が悪い。俺の責任だ。
肩を抱いたと思わせたことも、家で二人きりになってしまったことも。
俺の考えが甘く、軽率な行動をしたから。


乃愛にしてみれば、クロエの肩を抱いてた俺と、クロエからの誘いを断っていた俺は……相反するもので……俺に怒ることもできなくて……一人で悩んで……

それでもずっと俺を信じてくれて……


乃愛……本当にごめん……



でも……一人で抱え込まないで……

勝手な話だけど…
話してもらえないのは…

俺も……辛い……


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