見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
…周りに人は少ないとはいえ、こんなとこで甘ったるいキスしちゃって、恥ずかしい!って怒ってないかな…
「ごめん……あまりにも愛しすぎて止められなかった」
乃愛を抱き締めながら、まずは謝る。
「ううん…嬉しい……。でも見つかったら公然猥褻で罰金!とか言われないかな…」
「…気になるとこ、それ?」
「どれかと言えば」
「…ははっ、良かった。乃愛に怒られちゃうかと思ってヒヤヒヤした。まぁキスくらいなら大丈夫だよ」
「そっか。日本じゃないしね」
「じゃあもっとしよ」
「っダメ」
「えー……キスしたいよぅ」
「ダメったらダメっ」
って、乃愛が逃げた!
「ちょっ、待てって」
「やーだー」
って言いながら走る乃愛がすげぇ可愛いのなんのって。
…つか…意外と走るの早いな、乃愛…
でもな、俺も負けてらんねぇからダッシュした。
「そんなこと言ってるとぉ………よし、捕まえたっ!」
「ひゃあっ」
追いついた俺は乃愛を捕まえ、いわゆるお姫様抱っこで抱き上げて歩く。
「やっ、ちょっと降ろしてって」
「やーだー」
って乃愛のマネ。
「もー……そんなにキス…したいの?」
「ん、もちろん」
当たり前だろ?
すると乃愛がふふっ、と笑った。
「こうして愛情を示してくれる伊織が大好きだよ」
と…乃愛が俺の首に両手を回し、俺の顔を自分に引き寄せると、唇にちゅ…とキスしてくれた。
まさか乃愛からしてくれるなんて思ってなかったから、すぐに言葉が出てこなくて。
「乃愛……」
「じゃあ降ろしてくれる?」
「っ、うん…」
思考が追い付かない俺は素直に乃愛を下に降ろし、また手を繋いだ。
何でだ?
何で今こんなにドキドキすんだ?
どぎまぎしてんのを悟られない様に片手で口元を隠しながら隣を見れば、いつもの笑顔の乃愛がいる。
……この、体のまん中から沸き上がる、満ち足りた安堵感と嬉しさ……
あぁ……幸せ、ってことか。
今…何気ない日常の中でいきなりすげぇ感じちゃったけど……幸せってこういうものなのかもな。
俺が立ち止まると、乃愛は腕を引っ張られるように足を止めた。
「伊織?どうしたの?」
笑顔で問う乃愛の両手を握り、正面に立つ。
「乃愛、俺を選んで…俺と結婚してくれてありがとう」
「…どうしたの?急に」
「俺、乃愛と一緒になれて幸せだな……って思って。乃愛と出逢ってから今まで幸せって思うことは数えきれないほどあったし、つーか毎日幸せなんだけど、こう…乃愛が隣にいてくれるのが本当に幸せだな、って」
「伊織……」
「俺はまだまだ半人前で…もしかしたらまた昨日みたいに乃愛に嫌な思いをさせてしまうかもしれない。…でも、俺が愛するのは乃愛だけだ。絶対に裏切ることはしない。だから……俺を信じて……これからもずっと、一生、俺の隣で笑ってて、乃愛」
「ん…信じてる……ずっと…伊織の隣に…いるよ……」
乃愛のきれいな瞳から、ほろほろと涙が頬を伝う。
その流れる涙を指でそっと拭い、頬に手を添えた。
「乃愛は、俺の最後の恋だから。奥さんだけど、俺が愛してやまない永遠の恋人だからな」
「ん……うんっ……」
「一生……いや、来世でも乃愛を見つけて離さないけど、いい?」
「来世……?ふふっ、随分先の話だね。でも来世も一緒にいられるなら幸せだなぁ」
「よかった。来世は別の人がいいって言われたら俺、泣いてたわ」
「あはは、泣いちゃうんだ」
「ん。だから……」
ちゅ…
「毎日必ずキスしよ?ケンカした日も、パパママになっても、じいちゃんばあちゃんになっても。…そしたら来世で出逢った時に、キスしたらすぐにわかるだろ?」
「ふふっ、そうだね。伊織らしい、ポジティブで素敵な考えだね」
そう言ってくれる乃愛にまた唇が触れるだけのキスをする。
「…そろそろ戻るか」
「そうだね」
晴れやかな笑顔で返してくれる乃愛の手を取り、また二人で歩きだした。