見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
「さてと。…伊織、まずはお風呂に入ってからね。今日はお風呂は別々だよ」

「えっ……何で……」

「何でもッ。じゃあ私が先に入るね」

「あ、あぁ…」


乃愛はバタバタと風呂の準備をするとさっさとバスルームへ行ってしまった。


「はぁぁぁぁ……」

でっかいため息が出た。


何で……

せっかく今日はイチャイチャできると思ってたのに……

あぁ、俺が変な心配なんかするからか。

いや、マジで浮気を心配してるんじゃないけど……

でもカッコいい奴だったら…仲良く話してるだけで絶対に妬きそうだもんな……

はぁぁぁぁ……


ほんと乃愛に関してはポジティブになれねぇのな、俺。

やっぱ弱ぇんだな……

そんなことをずっとモヤモヤと考えていたら「伊織もお風呂どうぞ」と乃愛がパジャマ姿で出てきたから、俺もすぐに入った。


バスルームでもでっかいため息を幾つか出しながら、お説教とやらを受ける(=今日は乃愛を抱けない)覚悟を決めた。



バスルームから出て髪を乾かし終えると「ここに座って」と早速乃愛に呼ばれた。

「ん…」

心なしか重い足どりで向かい、ベッドの上に正座すると、俺の正面に同じく正座した乃愛が話し始めた。

「伊織は私が浮気すると思ってるの?」

「いや…しないと思ってるよ」

「伊織は私がどれだけ好きかわかってないでしょ」

「そんなことないけど……」

「ううん、わかってない」

「乃愛……」

「だから、わからせてあげる」

そう言うや否や、乃愛が膝立ちになり、俺の頬を両手で覆った。

「愛してるのは伊織だけなんだからね」

怒られるとしか思ってなかった俺の頭がその言葉を理解する頃には、俺の唇は乃愛の唇で塞がれていた。


俺の顔を、頭を、撫でながら……
「伊織、好き、愛してる」って言いながら…
深いキスをしてくれる乃愛が愛おしくて……
珍しく心臓がバクバクとうるさい……


唇が離れると、膝立ちしていた乃愛がへたりと座った。

「こんなに伊織が大好きなのに……伊織はわかってくれないの…?」

淋しげに見つめてくるのが可愛すぎて……俺もそろそろ我慢の限界。


「わかってるよ、乃愛にすげぇ愛されてること。でもな、乃愛が他の男と仲良くしてるだけで妬けるんだよ。…いや、男だけじゃねぇな……今日だってずっと公佳に取られてて……ぶっちゃけ妬いてた」

「伊織……」


「てゆーかさ、乃愛こそ俺にどれだけ愛されてるかわかってないんじゃない?」

「…え?」

じゃ、そろそろ形勢逆転といきますか。

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