見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
…と連れてこられたのはニューヨークの中でも有名なジムだった。
『すまないがイオリの事はルークから聞いたよ。もしかしたら観光よりこっちの方が興味あるかもしれないとね』
『そうだったのか。ほんとルークはすげぇな…さすがコンサル』
『よかったね、見たかったんでしょ?』
『あぁ、できれば覗いてみたいと思ってたからな』
一緒に店舗に入ったイーサンが受付でスタッフに話し始めると、奥から一人の男性が出てきた。
『イオリ、彼がこの店のボスのニコラス・ウィルソン。後は好きに話してくれ。僕はいつものトレーニングをやってるから、終わったら声をかけてくれよ』
『ボス?…あぁ、ありがとう、イーサン』
そうか、俺の仕事の一環とみてくれて、それでわざわざ店長を紹介してくれたのか。
それはありがたい。
それから俺と乃愛は自己紹介と名刺交換をした後、ニコラスの案内でジムを見て回った。
すげぇワクワクしながら話を聞いてる俺を、乃愛がニコニコして見てるんだ。
ニコラスが『休憩しよう』とコーヒーを出してくれたから、二人で頂いてる時に乃愛に聞いた。
『乃愛、すごい楽しそうだね』
『うん、伊織が嬉そうなのが嬉しくて』
『…ありがと。ごめんな、観光じゃなくて』
『ふふ、私も楽しいんだ。見てると身体を動かしたくなるね』
『あー、こんな優しい奥さんですげぇ幸せだ』
そんな会話を聞いていたニコラスに『二人とも、トレーニングやっていくかい?』と誘われたが、やめておいた。
せっかくのニューヨークだ。乃愛とイチャイチャしながら観光の続きをしたいな。
コーヒータイムの後、ニューヨークのジム事情なんかも聞いたりして楽しい視察を終えた。
『イオリ、君の考えは素晴らしいと思うよ。僕もこれからのジムには何が必要か、皆が何を求めているか、常にアンテナを張っているからね。新しい施設のための何か面白いヒントになることがあれば遠慮なく連絡してくれ、何でも教えるから。お互いジムを盛り上げていこうじゃないか』
『ありがとう、ニコラス。俺も建設的な話ができて嬉しかったよ。あぁ、その時はよろしく』
そして、イーサンはまたニューヨークの観光地をいくつか案内してくれて、最後にホテルへ送り届けてくれた。
『イーサン、今日は本当にありがとう。お陰でとても有意義な一日だったよ』
『イーサンさん、とても楽しいご案内をありがとうございました。ふふっ、ニューヨークの豆知識が増えたよね、伊織』
『ほんとにな、ははは』
『楽しんでもらえた様で良かったよ。また遊びに来てくれよ、あぁ、わが家でも大歓迎さ』
『ありがとう、イーサン。これ、少ないけど』
と、ガイドのお礼を、日本から持ってきた〝ありがとう〞と書かれたポチ袋に入れて出した。
『いや、それも含めてルークからもらっているんだが』
『これは俺達の気持ちだから、受け取ってくれないか?』
『そうかい、それならありがたく頂くよ。ありがとう、イオリ、ノア。それにしてもかわいい袋だなぁ、日本語かい、これは』
『はい、日本語で〝ありがとう〞って欠いてあるんです』
『へぇ、これはいいな、うちの子にいい土産ができた!ありがとう!』
そう笑顔で応え、イーサンはホテルを後にした。