見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~

今日も公佳と乃愛が夕飯を作ってくれた。

「あれ、これって」
「ふふ、そう。ノラさんに教わったお料理だよ」

「フロリダのおふくろの味なんですってね」
「へぇ、家庭料理なのか、いいね」

「しっかし、マジで乃愛はノラに気に入られてさー。好かれるのは嬉しいけど『息子の嫁に』って何度も言われて焦ったよ」

「その息子さんて素敵な方なの?」

「あぁ、すげぇいい男だよ。俺と同い年で、イケメンだし性格も真面目で優しくてさ」

「それは伊織も焦っちゃうわね、ふふふ」

まぁ…焦ったのには理由があるんだけどさ。
それも俺が原因の…

ちょっとだけ思い出して、ふっと小さくため息をつくと、乃愛がニコッと笑ってくれた。

「私もその時、お隣のお嬢さんに妬いちゃったからおあいこだけどね」

「乃愛…」

「あら、そうなの?」

「はい。そのお嬢さんは当時伊織の事が好きだったみたいで、久しぶりに会った伊織にそれを告白して。もう、すっごいナイスバディで羨ましくなっちゃった、ふふっ」

「そうなの…何だか色々とあったみたいね」

「ふふふ、そうなんです。ね、伊織」

「あぁ、でもそのお陰で乃愛との仲がより深まったよな」

「うん、そうだねっ」

…あの件を隠すわけでもなく、俺のせいにするわけでもなく、そう言ってくれる乃愛に…また惚れた。

ほんと、乃愛は俺を優しく包み込んでくれる…



テーブルで夕飯の後片付けをしていたら…乃愛とルークがキッチンに行った隙に公佳に言われた。

「伊織、乃愛ちゃんを悲しませたでしょう」

「えっ…何で…」

「何となくね。……乃愛ちゃんは本当に強い女性よ。…だからこそ…悲しませる様な事はしないで。いい?」

「あぁ、わかってる。それは俺も猛省した」

「…それならいいけど。乃愛ちゃんを傷付けたら…私が許さないわよ?」

「ふ、それは怖いな」


その時、キッチンから乃愛が俺を呼んだ。
「伊織ー、その食器も持ってきてくれる?」

「あぁ、今持ってくな」

「ありがとう、助かるー」
って笑ってくれる乃愛がマジで神様か天使かってくらいに思えた。

じゃあ…と、トレーの食器を持っていこうとしたら、それをひょいと横から公佳に取られた。

「ちょっ公佳、俺が持っていくんだって」
と手ぶらで付いていく。

「はーい乃愛ちゃん、食器よー」

「あれ、公佳さん、ありがとうございます」

「俺が持ってくっつったのに」
「早い者勝ちよ」

「…公佳さんと伊織が仲良くしてると妬いちゃうな…」

「「ハァッ !? 仲良く !? どこが !? 」」

「ぶっ……アハハハ、本当に君達は…ハハハハ」

ルークの大笑いにつられて、乃愛も笑い出した。

「あははは、ほんとに…子供の喧嘩みたいで…はぁ…おかしい」
と、目尻の涙を拭いながら俺を見た。

「だって俺の仕事を横取りされたんだもん」
むぅ。

「ふふ、伊織もお手伝いありがとう」
っていいこいいこしてくれた。

「ん…」嬉し。
って…俺、承認欲求の塊か?


「やっぱり乃愛ちゃんの包容力は偉大ね」

「…あぁ、俺は乃愛に甘えっぱなしだ」

「そんなことないよ?私が伊織に甘えっぱなしなんだよ?」

「俺は乃愛に甘えてるよ。…でも乃愛にも甘えてほしいから、これがちょうどいいな」

「ふふ、うん、そうだね」

「じゃあそろそろホテルに戻るか。ルーク、公佳、また明日」

「あぁ、明日は午後イチの便だったね。朝、ホテルに迎えに行くよ」

「ありがとう、ルーク。それじゃ」

と、今日は乃愛と早めにホテルに戻った。
明日はフロリダに戻るから、荷物の整理もしないとな。

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