見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
そして今日、公佳が病院に来て…久しぶりに話した。
それが、公佳が俺をアメリカに連れていきたいって話だった。


俺はアメリカのフイットネス業界を見て、体感して、日本で取り入れられるものがないかとか勉強したいと思ってた。

親が経営するこの会社を大きくしたいのもあるけど、何より俺が楽しみたいんだ。一(いち)インストラクターとして。

だからアメリカ研修は、今も諦めたわけじゃない。


それより驚いたのは、よりを戻したいと言われた事だ。

俺は、公佳から「一緒にいたい」と言われても…正直なところ、何も…響いてこなかった。

もしや後からじわじわ何かが込み上げてくるのか?と思ってもみたが、やはり特に何も感じなかった。


俺は…ただただ…


乃愛ちゃんに会いたい。
会いたくてたまらない。


あんなに好きだった元奥さんからの復縁の告白よりも、今は乃愛ちゃんのことしか考えられなくて。

俺…こんなに乃愛ちゃんのこと好きになってたんだな…

病室に戻って、そんなことを考えながら休んでた。

けど、何か落ち着かなくて…やっぱ自販機で何か買ってこようと思って、またさっきのとこに向かったんだ。

そしたら、やや俯いてエントランスに向かって歩く女性が見えた。

あれ、乃愛ちゃん…だよな?
俺の見舞いに来てくれた?
…でも俺…会ってねぇよ…?
え、帰んの?…何で?

そうこうしている内に乃愛ちゃんは病院を出ていってしまった。


え?何で?何で?
俺に会いに来たんじゃねぇの?

何で…俯いて…悲しそうにしてんの?
なんで…

乃愛ちゃん…



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