捨てられる前に、最後にひとつよろしくて?
「今まで我慢してきた分、たくさんマージュに触れたい」
「え、えっと……?」
「大胆に僕のシャツを脱がせてきたんだ。”そういう”つもりだったんだろう?」
浮かべていた笑みが不敵な笑みへと切り替わった殿下に抱きかかえられたまま、客室の奥へと続く寝室へと移動していく。
優しく寝台に下ろされたかと思えば、徐にシャツを脱ぎ捨てた。
状況が掴めていない私は再び目の当たりにした殿下の上裸に、顔を逸らすしか出来ない。
そんな私を逃がさないとでも言うように、殿下が覆いかぶさってきて耳元で艶ややか声で名前を呼ばれる。
「マージュ」
名前を呼んだ殿下の唇が、そっと私の唇に温もりを落とす。
初めてのキスに驚きを隠せないでいると、そのまま唇が塞がれて舌を絡ませてきた。