捨てられる前に、最後にひとつよろしくて?



 痺れと羞恥で頭がクラクラする……。

 そうだというのに、殿下に触れられる度に想いが溢れて、震えるか細い声でその名を呼んだ。


「クラ、デスッ……」


 ようやく私に呼んでもらえたことが嬉しいのか、殿下は優しく私の頭を撫でて深いキスを落とした。

 息をすることさえも許されないそのキスをされたあと、満足そうに微笑むクラデスはもう一度私に愛を囁いた。


「愛しているよ、マージュ」


「わたし、もっ」


「良かった。マージュの初めてはどうやら僕のようだから」


 何も考えられない頭で、その言葉の意味を探ろうにも見当たらない。



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