婚約破棄された公爵令嬢は冷徹国王の溺愛を信じない
 わがままで贅沢好き、商人と結託して私財を増やし、気分で使用人を解雇、将来の王太子妃として内政にまで口を出し始めた悪女。
 ついには王太子に婚約破棄されたが、十年もの婚約期間の慰謝料にと国王に莫大な賠償金を要求し、次の夫を捕まえるための持参金にした、と。
 だとすれば、ジュストはその莫大な持参金目当ての結婚を承諾したのだ。
 内乱で傾いた財政を立て直すためなのだろうが、それにしてもジュストのルチアへの態度は許しがたいものだった。
(勝手に殉教者ぶっていればいいわ)
 ルチアはジュストを見上げ、ふんっとわざとらしく鼻で笑った。
 かすかに驚くジュストからさっさと視線を外して振り返る。
「みんな、疲れているところをごめんなさい。これからすぐに結婚式なんですって。荷運びは後でもいいし、休みたい人たちは案内してもらって休んでちょうだい。式に参列してくれるなら、どうぞいらして」
< 4 / 29 >

この作品をシェア

pagetop