愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする
 だからといって、結婚を認めてくれるとは限らない。歓迎されるのは凛だけだったら? 私だけ除け者にされるのはかまわないけれど、優しい凛のことだ。私がそんなことをされたら悲しむはず。

「もちろん事前にふたりに聞いてみるよ。反応が悪かったら連れていかない。その時はまずはふたりで行って両親を説得しよう」

「……はい」

 不安は残るけれど、遼生さんは信じてみよう。それに凛だってもうひとり祖父母がいると知ったら喜ぶだろう。きっと会いたいと言うはず。

「ごめん、せっかく幸せな気持ちでいたのに不安にさせた」

 彼の腕が肩に回り、ゆっくりと引き寄せられた。遼生さんの温もりを感じると、自然と不安が消えるから不思議だ。

「いいえ、私こそすみません。……自分がつらい思いをするのはいいんです。でも凛にだけはさせたくなくて」

「あぁ、それはもちろんだけど、俺は萌にもつらい思いをさせるつもりはない」

 力強い声で言うと、遼生さんは優しく私の髪を撫でる。

「明日、一度東京に戻って両親と話をつける。それからふたりで結婚の挨拶に行こう」

「え? でもそれじゃ遼生さんにだけ負担をかけちゃうじゃないですか」

 これはふたりの問題なのに、彼にだけすべてを背負わせるわけにはいかないよ。
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