愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする
「おかげで俺は失恋した寂しい男になったけどな」
「本当にごめんね」
明子さんから聞いたようで、和泉君が見送りにきてくれた。だけどちょうど常連客と鉢合わせし、「振られたのに今まで通りで偉いわね、和泉君」と哀れまれていた。
凛に至っては〝失恋〟がなにかもわからないため、哀れむ常連客を見て「和泉君、どこか痛いの?」と心配する始末。
和泉君には悪いけれど、思わず笑ってしまった。
「凛ちゃん、今日はまた可愛くおしゃれしてるね」
「朝から張り切っちゃって」
そんな凛はただいまおやつ中。奥で文博さん特製の大好きなロールケーキを食べている。
「そうだ、これ」
思い出したように和泉君は手にしていた袋を私に差し出した。
「父さんが持って行けってさ。うちの商品の中で最高級品だって」
「え? 嘘、いいのに」
「いいからもらってよ。相手は碓氷不動産の社長だろ? これくらいの賄賂は持って行かないと」
冗談交じりに言う和泉君につられて、私もクスリと笑ってしまう。
「今度はちゃんと認められるといいね」
「……うん」
心遣いに感謝してありがたく受け取ったのは、シャインマスカットだった。
「本当にごめんね」
明子さんから聞いたようで、和泉君が見送りにきてくれた。だけどちょうど常連客と鉢合わせし、「振られたのに今まで通りで偉いわね、和泉君」と哀れまれていた。
凛に至っては〝失恋〟がなにかもわからないため、哀れむ常連客を見て「和泉君、どこか痛いの?」と心配する始末。
和泉君には悪いけれど、思わず笑ってしまった。
「凛ちゃん、今日はまた可愛くおしゃれしてるね」
「朝から張り切っちゃって」
そんな凛はただいまおやつ中。奥で文博さん特製の大好きなロールケーキを食べている。
「そうだ、これ」
思い出したように和泉君は手にしていた袋を私に差し出した。
「父さんが持って行けってさ。うちの商品の中で最高級品だって」
「え? 嘘、いいのに」
「いいからもらってよ。相手は碓氷不動産の社長だろ? これくらいの賄賂は持って行かないと」
冗談交じりに言う和泉君につられて、私もクスリと笑ってしまう。
「今度はちゃんと認められるといいね」
「……うん」
心遣いに感謝してありがたく受け取ったのは、シャインマスカットだった。