悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
「フレッド、明日は街へ出かけるわ。そうねえ、王城に行った帰りに寄りましょう」
「ですが明日は、クリストファー殿下とのお茶会のご予定ではないですか?」
「大丈夫よ、あの方いつも来ないから。十分ほど待って悲しそうな顔して歩けば、誰も私に声をかけられないわ」
そんなことをなんでもないように言いのけた。婚約者に冷たくされたら怒って詰め寄るか、悲しみで泣くのが貴族令嬢だと思っていたけど、ユーリエスは違った。
「承知いたしました。行きたい店は決まっていますか? お探しのものがあれば、俺もお調べいたします」
「大丈夫よ、情報はあるの。あまり行ったことがない場所だけど、フレッドがいるから心配ないわ」
そんな風にさらっと俺を頼りにしているみたいなことを言う。そこまで言われたらユーリエスの……いや、ユーリの髪の毛一本にも傷をつけられないではないか。
「護衛はお任せください……その、ユーリ様とお呼びしても?」
「……ええ、もちろんよ!」
俺はこの瞬間、花が咲くように笑ったユーリに心を奪われた。
「ですが明日は、クリストファー殿下とのお茶会のご予定ではないですか?」
「大丈夫よ、あの方いつも来ないから。十分ほど待って悲しそうな顔して歩けば、誰も私に声をかけられないわ」
そんなことをなんでもないように言いのけた。婚約者に冷たくされたら怒って詰め寄るか、悲しみで泣くのが貴族令嬢だと思っていたけど、ユーリエスは違った。
「承知いたしました。行きたい店は決まっていますか? お探しのものがあれば、俺もお調べいたします」
「大丈夫よ、情報はあるの。あまり行ったことがない場所だけど、フレッドがいるから心配ないわ」
そんな風にさらっと俺を頼りにしているみたいなことを言う。そこまで言われたらユーリエスの……いや、ユーリの髪の毛一本にも傷をつけられないではないか。
「護衛はお任せください……その、ユーリ様とお呼びしても?」
「……ええ、もちろんよ!」
俺はこの瞬間、花が咲くように笑ったユーリに心を奪われた。