推しがいるのはナイショです!
「え? でも課長、今日の会議は終了後に会食だったはずでは?」
 それなら、もう食事はすんでいるだろう。
「おごるよ。がんばった水無瀬さんへのご褒美だ。それに、君に聞いてほしいこともあるし」
 目を細めた課長に、なんと返していいのかわからない。

 課長と二人で食事……?
 突然の出来事に戸惑う。

 憧れの課長に食事に誘われたなんて、これはもしかして超ラッキーなのでは。
「はーい、クウヤでーす」
 その時、久遠の声が聞こえて思わずスマホに視線を向ける。もう、カーテンコールなんだ。

「みんな、今日もありがとう! クウヤ、とっても楽しかったよ!」
 いつも通りの、弟キャラでかわいい姿を連発する久遠の声が聞こえる。本当にこれがあの久遠とは、とても思えない。
「あっちも、もう終わりらしいな」
 課長もスマホを覗き込んでいる。

 どうしよう。
「私……」
「じゃ、たまにはちょっと気分を変えてみようかな♪ ん、んん。……なんでいねーんだよ、ゴラア!」
 突然聞こえた乱暴な声に、思考が停止する。
< 60 / 75 >

この作品をシェア

pagetop