推しがいるのはナイショです!
 私がまぬけな返事を返すと、留美が隣からどすどすと私の腕をたたいた。
「(ねえ、ちょっと! これって、異動の話? 引き抜き? あんた本社勤務になるの?)」
「(まさか! きっと引継ぎの話よ)」
「(でもさ!)」
「では、応接室へ来てくれ」
「はい」
 そう言って、課長は先にフロアをでていく。課の視線が一気に私に集中した。

「応接室だって! そんなとこで引継ぎしないでしょ!」
「わかんないわよ。会議室がみんな埋まっているとか」
「とにかく行っといで!」
「う、うん」
 とりあえずノートとペンケースを取ると、私は応接室へと向かった。

  ☆

 応接室のドアをノックすると、中からどうぞ、と声が聞こえた。
「失礼します」
 緊張しながらドアをあけた私の目にとんでもないものが飛び込んできた。

 見慣れた応接室の中に、見慣れない見慣れた顔がいる。
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