完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される
慈愛に満ちた目で見つめられる。まだ好きだった田吾作と苦手な井村が心の中で一致しない。それにしても一年以上気づかないとは我ながら間抜けすぎる。
亡き父にも鈍感で抜けているところをよく心配された。
「やっぱり私帰ろうかと。マスコミがうろついてるなら、逆に安全だし」
このまま井村の好意に甘えていたらダメ人間になりそうだ。甘やかされて優しくされて美味しいものまで食べていたら、もはや戦うガッツがわかないような気がする。
「せめて、あと数日は待とう。俺が心配だから」
「数日……。お財布もスマホもないんです」
「必要なものは俺が買ってくるから。頭打ったあとは動いちゃだめだよ。少なくとも明日まで寝てて」
病院の診察代なども立て替えてもらったままだった。