完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される
食後も特にすることがなく、手持無沙汰でそわそわしていると、井村が隣に座る。
「今日から田吾作がしてたように名前で呼んでもいい?」
「うわ、そういうこと口に出すのめっちゃ恥ずかしいんで」
千紗の羞恥のツボに、その言葉は突き刺さり、千紗は顔を手で覆った。
「田吾作との関係を、リアルに引き継ぎたい。信頼関係は崩れたかもだけど、今から取り戻したい」
「ぜ、善処します」
自分の危険を省みず、助けてくれた井村の好意を疑ってはいない。けれど恋愛経験知がゼロの千紗には、なにから始めていいのかわからなかった。
信頼しているかしてないかで言えばしていると思う。だがまだ現実に気持ちが追いつかない。