完璧上司の裏の顔～コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される

「一年以上かけて、徐々に仲は深まったから、このまま沼に落ちてしまっていいと思う」
「あの？　昼間ですけど」
「んー。すぐ夜になるよ」

　すぐに唇が重なる。

「会いたかった。ものすごく」

　そう言うと、切羽詰まった様子で服の中に手を突っ込み、素肌を撫でた。その甘い雰囲気に流されてしまう。

「井村さん、こういう時だけ強引で私の話聞いてくれなくてどうなってるんですか？　人格が変わるというか」
「まぁ男なんてみんな好きな子の前じゃ理性なくすんだよ。そうじゃないと子孫繁栄しないでしょ。嫌なの？　本当に？」

　耳元で囁かれ、耳朶を食まれた。途端に体の力が抜ける。

「は……でも、いくらなんでも豹変しすぎ」

　いつもはくどいくらいに千紗のことを気遣うのに、いざ事に及ぼうとすると本当に強引だった。ハッキリ言うタイプの千紗が多少ごねても押し通す。

「待ってる間、ずっと動画と写真見てた。めちゃくちゃ可愛くて、見てるだけで幸せって思ってたけど、もう見てるだけじゃいやなんだ」
「あんまり恥ずかしい台詞連発しないでください……」
「千紗ちゃんが悪い。俺を狂わせた。今まで強烈になにかを欲したことなんかなかったのに、寝ても覚めても君のことばかり」
「ちょっと……ポエム入ってますよ。……あ」

　背中に回った手がブラのホックを外す。やる気まんまんだ。

「帰ってきて、俺を好きだって言ってくれてめちゃくちゃ嬉しい。大事にする。一生かけて」

　大げさな言葉は、くすぐったく感じてしまう。
　何度もキスされて、甘い言葉を囁かれると、もう好きにしてという気分になってくる。

「ふぁっ」
「かわいい。感じてる顔見せて」

　来ていたブラウスをたくし上げられ、露わになった胸に顔を埋められる。
　こういうことをするのも嫌いじゃない……けど普段の井村からは想像のつかないがっつき気味な勢いに気圧されてしまう。

「ごめん、一回じゃ済まないかも」
「ひっ」

　宣言通り、夜まで抱きつぶし、夜は夜で離してくれなかった。