完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される
 翌日も羊たちの群れをタロと一緒に移動させていると、電話がかかってきた。バイトをしていた会社の番号からだ。
 もうやめたというのに、誰だろう。

「高倉さん?」
「はい」

 天敵・立花ミホの声だった。

「高倉さんが忘れていった荷物、送ったから。あのだっさいドブネズミ色のカーディガン」
「グレーって言ってほしいところですけど、ありがとうございます」

 千紗の中にあった小さな疑惑。それをどうしても聞いてみたくなる。

「あの──私の名前とかネットでばらしたのって立花さんですか?」

 会社で男をたぶらかしているというネタが、どうにも立花を連想させた。イベントで会った時も不審な目で見ていたから、粘着質の立花であればタマ=千紗だと気づいてもおかしくない。
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