【完結】完璧上司の裏の顔 オタクなコスプレ配信者♀、実はファンだった上司に溺愛求婚される
「心配かけてごめん。で、今なんて?」
「電話も出てくれないし最近電話してもそっけなかったし」
「いや、その前」
「きっともう私のことめんどくさくなったんだと思って」
「その前」
「???」
興奮してなにを話しているかわからなくなっている千紗だった。
「はぁ……あのね。置いていくつもりなんてないよ」
「え? ええ?」
「ごめん。色々準備してて、すれ違ったみたいだ。あとは俺の寂しい気持ちから」
「寂しい?」
いつも飄々としている井村がそんな感情を抱くとは思わなかった。
「千紗ちゃんがどんどん人気者になって、遠い存在になっちゃうんじゃないかって。だからどうしたらこれからも一緒にいられるか、考えた。ずっと」
「井村さん……」
「色々考えて、千紗ちゃんも海外ならのびのび配信できるんじゃないかとか。でもお母さん置いていけないかもとか、色々考えてたら言えなくて」
「海外で配信?」
「日本ほど人目が気にならないんじゃないかと思って。よくも悪くも他人にそこまで関心なかったりするから」
「それって……」