完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される
千紗をシンガポールへ連れていくということだろうか。それはつまり……。真意がわからず井村を見上げると、千紗の手を取り、自分の頬に当てた。
「この手だったな、初めて動画見た時に目に入ったのは。力強くて、でも繊細で。会社にいる高倉千紗だってすぐに気づいた。ずっと見てたから」
井村は小さく息を漏らした。
「ちょっと早くなったけど、話すよ。入って」
部屋に通された千紗は、一枚の紙を渡された。
「これ、まだ立ち上げたばかりの企画だけど、手ごたえは感じてて。協賛してくれる企業も集まりつつあるんだ」
「企画書?」
「うん。読んで」