聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「っ、すみません…意地悪しすぎました。謝りますから、そんなに可愛い顔しないでください。今すぐ腕の中に閉じ込めて、俺だけのものにしたくなる」



「っ…!!」



そこに追い討ちをかけるように言われた、余裕のなさそうな紫呉さんの「可愛い」が、私をさらに熱くさせる。



うぅっ…聞きたいことがいっぱいあったのに、全部吹っ飛んじゃった…。



紫呉さんの一言一言が、弓矢のごとく私の胸を刺していく。



「…あのー、一応言っときますけど…ここ、外ですよ?」



彩那ちゃんの呆れた声が耳に入り、私もハッとして紫呉さんから距離をとった。



「っご、ごめんね彩那ちゃんっ…!」



慌てて彩那ちゃんに向き直って謝るけど、もう遅い気がしてならない。



彩那ちゃんだけでなく、色んな人たちが私と紫呉さんを凝視しているのだから。
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