聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「いや、あたしは別にいーけど?ま、末永くお幸せにってね」



「さ、彩那ちゃんまで…!」



それ、結婚する人に言う言葉だよ…!?



「あなたは翠のお友達ですか?以前も一緒にいましたよね」



まだ羞恥心が抜けない私とは違って、もうケロッとしている紫呉さんが彩那ちゃんに声をかけた。



「あ、はい。姫崎彩那です。友達じゃなくて“親友”なんで、そこんとこよろしくお願いします」



ニカッと笑う彩那ちゃんの言葉を聞いて、思わず泣きそうになった。



彩那ちゃんと仲良くなってから半年も経ってないのに、もう親友って言ってくれるなんて…。



「だから、もし大好きな翠を傷つけたら容赦な…ってわっ!?」



驚く声を上げた彩那ちゃんを気にせず、思い切り抱きついた。



「私も彩那ちゃんのことが大好きっ…!」



「っ…何この天使、可愛すぎでしょっ…!」



彩那ちゃんが何か言っているけど、私の耳には入っていない。
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