聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
“親友”という言葉だけが永遠とリピートされて、嬉しくてたまらないの。
「…って、ことなので。紫呉さんも、翠から抱きつかれる日がいつか来るといいですね?」
「翠は恥ずかしがり屋なんです。そんないじらしいところが可愛いんじゃありませんか」
…って、あれれ?
私が喜んでいる間に、紫呉さんと彩那ちゃんの雰囲気が険悪になっていることに気がつく。
「…はぁ、まぁいいです。要は翠が幸せなら文句ないので、絶対泣かせるようなことはしないでくださいよ」
「あなたに言われなくてもそのつもりです」
2人はいったい何の話をしているんだろう…。
私の名前が聞こえた気がするけど…気のせいかな?
気にしなくてもいいか…と思っていたら、彩那ちゃんにコソッと耳打ちされた。
「…ねぇ翠、本当にこの人でいいの?」
「へっ…?」
この人…っていうのは、紫呉さんのことだよね?