聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

心拍数を測ったら、きっと誰にも見せられないくらいに上がってるんじゃないかな。



冗談抜きでそう思ってしまうくらいには、紫呉さんの一言一句に胸が高鳴っている。



「さて、とりあえず見ましょうか。話し込んでいたら日が暮れてしまいそうです」



「は、はい…っ」



まだ全然お店の中を見れていないのに、なんかもう、いっぱいいっぱいだ。



それでも私が頷くと、ようやく商品棚へ移動した。



「わぁ…本当に綺麗でいい香り…」



たくさんの香水瓶が立ち並んでいるけれど、どの匂いもそれぞれ違う魅力がある。



これだけの香水があったら混ざり合って変な匂いになりそうなのに、そういうのが全くないから不思議。



きっと作ってる調香師さんが凄いんだろうなぁ。



普段…というか、香水屋さんになんて初めて来たから、物珍しいものばかりでついつい見入ってしまう。
< 157 / 326 >

この作品をシェア

pagetop