聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「あ、これって…」
うっとりしながら見ていると、ある香水が目に入って立ち止まった。
「翠、どうかしましたか?」
そんな私を不思議そうにこちらを覗く紫呉さん。
間違っていたら恥ずかしい…けど。
「紫呉さんが使ってるの…これ、ですよね?」
躊躇いつつ、その香水を指をさし呟く。
それは薄紫色の液体が入っていて、きっと紫呉さんが使っているであろう『Lavender』と書かれた香水。
英語で書いてあるから自信が無いけど、多分『ラベンダー』って書いてあるはず。
「…よくわかりましたね。たしかにそれは、俺が使ってるラベンダーの香水ですよ」
紫呉さんは意外そうに目を見開いて、すぐに微笑んでくれた。
よかった…違ったらどうしようって不安だったけど、合ってたみたい。
ほっと胸を撫で下ろすと、紫呉さんはラベンダーの香水瓶を持ち上げて。
「嗅いでみますか?」