聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
そこまで強くはないけれど、しっかりとラベンダーの香りを感じた。
すっごくいい香り…でも、なんとなくイメージと違うような…。
そこで疑問が浮かび上がり、首を捻る。
…いつものラベンダーとは少し違う気がするのはなんでだろう?
ラベンダーの花がとかじゃなくて、なんかもっとこう…いつもの匂いとは違うなって思ったんだけど…。
「…翠?ぼーっとしてますよ?大丈夫ですか?」
紫呉さんに指摘されてハッとした。
そういえば、まだ紫呉さんに感想を伝えてなかったよね…!
一応どんな感じだったかを伝えようと思い、思ったことをそのまま言ってみた。
「あ、えっと…なんか違うなぁって思ったんです。でも、私の勘違いかもしれません」
「…それは、もしかしたら───」
すると、紫呉さんは一瞬思考してから私の方に腕を伸ばしてきて。