聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
ぐるぐるぐるぐる、私なりに思考を巡らせる。
そこまで考えたけど、一向に答えが見えてこない。
うぅ…やっぱりわからないよ…。
諦めて紫呉さんにヘルプを求めようと顔を上げたら。
「ふっ、もうお手上げですか?翠ならわかると思いますよ。頑張ってみてください?」
紫呉さんの大きくてゴツゴツとした手のひらが頭にぽんと置かれ、瞬間いつものあの香りが鼻をかすめた。
さっき嗅いだラベンダーの香水とは全く違う…。
甘くて優しい、紫呉さんの匂いが。
そっか…いつも私が感じ取っていたのは、好きだなぁと思っていたのは…ただのラベンダーじゃなくて。
「私、普通のラベンダーより…紫呉さんの匂いの方が、断然好きみたいです…っ!えへへっ」
やっと気づけたことが嬉しくて、自然と口角が上がるのが自分でもわかった。
「っそう、ですか…。それは良かったですね」