聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「はいっ…!なので、香水をつけなくても、こうしてぎゅってしてもらえたら……」



と、気づいたときにはそこまで口に出していてハッとした。



…って…わ、私、なんて大胆なこと言っちゃってるんだろう…っ!?



これじゃあまるで、紫呉さんにぎゅっとして欲しいみたいに思われちゃうよっ…!



いくら後悔しても、言ってしまった言葉はもう戻らない。



うぅっ…恥ずかしすぎて紫呉さんの顔が見れない…。



口を開けたまま、恥ずかしさのあまりふるふる震えてしまう。



「っ、本当、貴女って人は…」



「っ、ひゃあ!?」



すると突然、くるりと身体を紫呉さんの方に向かされて、長い腕が腰に巻き付いてきた。



さっきよりも距離がぐっと縮まり、隙間はほぼゼロ。



心臓が爆発しそうなくらいにドキドキしちゃって、紫呉さんにバレてしまいそうだ。
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