聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「俺も嫌ですけど……翠がすぐに『Radical』の輩だと気づけるようにしておきたい。それが翠を守ることにも繋がるんです。嫌でしょうけど…協力してください。よろしくお願いします」



えっ……?!し、紫呉さん……!?



突然、紫呉さんが仁さんに向かって頭を下げたから、私はその一部始終を見てぎょっとする。



「……ちょっと待ってろ。在庫確認して来る」



そんな紫呉さんの言葉と行動をどう受取ったのか分からないけど、仁さんはバックヤードに向かって行った。



…紫呉さんが仁さんに頭を下げてまでお願いしたのは、全て私を守るための行動だ。



紫呉さんにそこまでさせてしまった事を申し訳ないと思う気持ちは、もちろんある。



でも…それ以上に私を思ってくれていることが感じられて、とっても嬉しい。



……だからかな?



「紫呉さん、ありがとうございます」



自分はこの人に守られているんだって思うと、不思議なくらいに心が温かくなるの。
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