聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「翠を守るためなら、土下座だってしますよ?それくらい翠のことが大切なんです。知っておいてください」
「っ…はい!」
穏やかに笑う紫呉さんに、相も変わらず胸が鳴った。
どんな表情をしていても、どんなことををしていても…きっと私は、紫呉さんなら全て受け入れられてしまう。
「…お前ら、隙あらばイチャつくのやめねぇか?」
「っわぁ!?じ、仁さんっ…!!」
そんなことを思っていると、仁さんが香水の瓶を片手に戻ってきていた。
「無いと思ってたらあったわ。仕入れたつもりはねぇんだけど…」
ぶつぶつボヤく仁さんは、やっぱり今も不機嫌そう。
「あ、ありがとうございます…!すみません、嫌な香りでしたか…?」
理由が知りたい…けど、そんな簡単に教えてくれるはずないよね…。
でも、もしかしたら…という希望を残してそんなふうに聞いてみた。