聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「ん?嫌っつーか…気に触る匂いってやつ?アイツらのことを思い出すだけでも虫唾が走るってのに、この匂いを嗅いだら余計思い出しちまうんだよ」



「む、むしず……」



やっぱり、相当嫌っているのだろう。



嫌悪感がこれでもかと言うほど伝わってくる。



「『Radical』は昔っから卑劣なことばっかりしてる奴らでなぁ。自分らが癪に障ると思った相手には躊躇がねぇし、やることなすこと無茶苦茶なんだ。俺の代の時もよく変な理由で敵対視されて、そりゃあ面倒くさかったわけよ」



苦虫を噛み潰したような顔で語る様子を見ると、『Radical』とグループはかなり危険視すべき存在なのだということがわかった。



仁さんが総長だった頃からいるってことは、相手の総長も変わったりしてるんだろうな。



私には全くわからないし、想像も何もできない。



だから、せめてゼラニウムの香りだけでも一瞬でわかるようにしないとだよね…!
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