聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

あながち間違ったことは言っていないはず。



それと、紫呉さんには『急用が入ったから迎えは大丈夫です』って連絡しておいた。



電話に出れなかった件のことももちろん謝っておいたから、問題ないと思う。



でも、優しい彩那ちゃんは私のことをものすごく心配してくれているようで…。



「一回だけ先輩と出かける…って、なんとなく嫌な予感がするのは私だけ?悪い噂は聞かないけど、可愛い翠を任せるには信用が足りてないっていうか…」



何度も「大丈夫だよ」って言っても、お昼休みからずっとこんな感じだ。



鋭いなぁ、彩那ちゃん……。



嫌な予感、というのは私も感じている。



というより、正直嫌な予感しかしない。



…だからこそ、彩那ちゃんには何も知らないでいて欲しいんだ。



「…ありがとう、彩那ちゃん。いつも私のことを思ってくれて」



「っ、当たり前じゃん…!!なんて言ったって、あたし翠のこと大大大好きなんだから!!」
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