聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

…ううん。



“きっと”じゃなくて“絶対”、かな。


噴水に背を向けて、紫呉さんの瞳をまっすぐ見つめた。



紫呉さんの瞳には、私しか映っていない。



…ずっとそうだったらいいのに、なんて。



そんなわがまま言ったら紫呉さんを困らせちゃうってわかってるから、絶対言いません。



「…ありがとうございます、紫呉さん。ここに私を連れてきてくれて。紫呉さんと来れて良かったです」



その代わり、お礼を言わせてください。



もっとちゃんとした言葉で伝えたいのに、こういう時に限って中々出てこないのが悔やまれるけれど。



「どういたしまして。俺の方こそ、一緒に来てくれてありがとうございます」



紫呉さんはそんな私の気持ちも汲み取ってくれるって知ってるから、無理に捻らなくていいと思った。



それから次に向かったのは、珍しい品種が植えてあるというガーデン。



「本当に紫のバラだ…」



なんと、そこに咲いていたのは紫のバラで。



「紫色のバラってあるんですね…。初めて見ました」



濃い紫というよりも、ほんのり淡い薄紫色のバラが咲いている。
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