飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「やば。 運命じゃね?」

 その人は無遠慮に私の肩に手をまわした。

「あ!もしかしてまたあの二ノ宮くん探してんのー?」

 ……お酒の匂いがする。

 怖い……っ!
 
 私はグッと体を強張らせた。
 

「なになにー? うわ、めっちゃ可愛い子じゃん」

 
 その人の後ろから、また別の男の人が顔を出して、嬉しそうに笑った。
 
 
「あの、は、なしてくださいっ」

 
 私は体を縮こまらせて、男の人の腕から逃れようとする。

 
「だめだめ~。 前回遊べなかった分今日は逃がさないよ」

「っ⁉ やです……!」

「もー怯えちゃってかーわいい~! ほら、また一緒に探してあげるからさ! えっとー、なに宮くんだっけー? あはは!」

 
 両側から挟まれて逃げ場を失った私は、身動きも出来ずにどこかへ連れていかれてしまう。

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