飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「! 彩人くん!」

「偶然~」


 彩人くんがへにゃっと笑って手を挙げた。


「これからバイト?」

「うん。今人手足りてなくて、たくさんシフト入れられちゃって……最近行けてなくてごめんな」

「全然平気だよ! ……それより彩人くん、ちゃんと食べないとだめだよ?」

 私は彩人くんの手にあるサンドイッチを見ながら言う。

「はは、そうだね。 その辺は凛の方がしっかりしてるね。 ……てか凛、最近いいことあった?」

「え?」

 彩人くんが中腰になって私の顔を覗き込む。

「……なんか生き生きしてる」

「そ……そう、かな」

 私はなんとなくいたたまれなくなってパッと彩人くんの視線から逃れる。

 それは多分、というか絶対、お家にいる彼のおかげだ。


「まぁ凛が元気そうで安心したよ」

 
 彩人くんは優しく頭にポンと手を置く。

 あぁ、言いたい。

 彩人くんに言っちゃいたい。

 実は一緒に暮らしてる人がいますって。

 しかも今その人に、恋をしてるんですって。
 
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