飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
 ボフンッ!


 背中側からギュッと暖かい感触に包み込まれる。


「いぇーいビックリしたー?」

 
 (しん)の、楽しそうな声が耳元でした。


「……」


 ビックリしたどころじゃなくて、声も出せずにかたまる私をよそに、(しん)はごそごそと服を着始める。


「よく考えたら毎回後ろからの方がいい? そしたら凛も余計なもの見なくて済むしな。明日からそうする?」

「……」

「凛?」

 
 (しん)が微動だにしない私の顔を後ろから覗き込んだ。


「……」

「……ごめん、怒った……?」


 私の正面にまわり込んで、心配そうに私の顔色を伺う。

 やっぱり何も言わない私に、(しん)はそっと私の手首を掴む。


「……ごめん。冗談が過ぎた」

 
 相変わらず、


「許して……?」


 (しん)はあざとい。
 
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