飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「どうしようもなくない?こんな非現実的な現象。こんなことみんなにバレたらめんどくさそう」

「め、めんどくさそうって……みんなに言わなくていいの……?」

「うん。心配してくれる皆には悪いけど、俺がはやく元に戻れればいい話じゃん?」

「え……えぇ? でも、なんで猫になっちゃったのかも、わからないんだよね」

「うん」

 夏宮くんがあまりにもいい笑顔でそう返事をするので、私は言葉に詰まる。

「俺の母親とじいちゃんが猫アレルギーだから家帰れないし、凛がいないと人間になれないからまともに授業も受けられないし……このまましばらく行方不明ってことにしといてもらった方が楽」

 ら、楽って……そんな感じで行方不明のままでいいの……⁉︎

「……ん? 待って、どうして私? 私じゃなくても、他の人に触れば人間に戻れるんじゃない⁉」

「んーん、街で何人かに撫でられたりしたけど戻らなかった」

「え⁉ なんで⁉」

「さぁ」

 夏宮くんは肩をすくめる。

 どうして……?

 私、何か不思議な力でも持ってるんだろうか……。
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