飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
……夏宮くんの取扱説明書、その一。

 マイペース。

 いついかなる時でも、夏宮くんはマイペース。

 猫から人間に戻った時だって私がどんなに動揺しようと『あれま』って言うだけだったし。

 普通、男の子と言えど全裸を見られたらもっと恥ずかしがったり、取り乱したりするんじゃ……?

 もし宇宙人と遭遇したって『わー宇宙人じゃん。こんちはー』とか言って済ませちゃいそうだ。

 お気楽?能天気?

 とにかく、夏宮くんの一挙手一投足にいちいち取り乱す私とは正反対。


「今日の夕飯なに?」

 夏宮くんが後ろからのしかかった。

「ひゃあ⁉」

 冷蔵庫に食材を詰め込む途中だった私は人参をゴトリと落とした。

「ひゃあて」

「な、なん⁉なん⁉」

 私は閉めた冷蔵庫にしがみつくようにして夏宮くんから逃げる。

「……そんな嫌?」

 夏宮くんがむぅ、と眉をひそめた。

「え⁉い、嫌っていうか……っ」

 夏宮くんが私の背中側から私を囲うように冷蔵庫に手をついて、私の逃げ場をなくす。

「じゃあ、どうさわったら良いのですか?」
 

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