飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
……夏宮くんの取扱説明書、その二。

 あざとい。

 あざとすぎる。

 だって、見てくださいこれ。

 圧倒的正統派イケメンが、冷蔵庫にへばりつく私の顔を横から覗き込むようにしながら、じっと私の目を見て返事を待ってます。

 えぇ? 天然? 計算?

 分からないけど、その顔のあざとさったら、かっこよさったらない。

 何かがパンクしちゃいそうになる私はごまかすように笑顔を作り、

「……猫になってもらっても大丈夫だよ?」

 いつかと同じセリフを震え声で言う。

「やだ」

 笑顔で却下された。

「ね、猫じゃらしを探してきますから!」

「ほう。喧嘩売ってる?」

 夏宮くんが肘を曲げて距離を詰める。

「とっ、とにかく!急にさわるの、だめ!」

「なるほど。わかった。それでは失礼します。よいしょ」

 よいしょ、を合図にバックハグをキメる夏宮くん。

「ぎゃあ!」

「ぎゃあて」

「うう後ろからなんて卑怯だよ!」

「えー?ちゃんと断ったじゃん。てか卑怯ってなに?」

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