Flower~君の美しい記憶の中で今日も生きていたい~
私の後頭部を守るように彼の腕がまわる。長い睫毛に縁取られたもう赤く光らないであろう黒ダイヤと目が合う。
「君は本当に無欲なんだな。まさか忘れているわけじゃないよな?」
「私、何か忘れて……ます、か?」
思い出す時間稼ぎで変な間を開けながら話すが思いつくことはない。大きく息を吐いた恭介さんはまわっていた腕を離し、その延長線で私の首元に優しく触れた。
近すぎる彼に気を取られていて、そこで気づいた冷たい感覚。首元に視線を下すと桜色の宝石があしらわれたネックレスが。
「誕生日おめでとう」
「たん、じょうび。ありがとう」
そっか今日は4月4日か。忙しくてすっかり忘れてたのもあるけれど、お母さんが亡くなってから誕生日を祝ってくれることも無くなったから。何年ぶりだろ、祝われたのは。
先に体を起こしていた恭介さんは驚きすぎて未だに倒れ込んでいる私の手首を引っ張る。エスコートされ、部屋の真ん中に連れられた。
「特別な夜に一緒に踊ってくれますか?」
彼はそう言って手の甲に唇を落とす。普段着で、普通の部屋なのになんだかダンスパーティーに来ている気分だ。
「私踊れないよ?」
「知ってる、俺がエスコートするから大丈夫」
「君は本当に無欲なんだな。まさか忘れているわけじゃないよな?」
「私、何か忘れて……ます、か?」
思い出す時間稼ぎで変な間を開けながら話すが思いつくことはない。大きく息を吐いた恭介さんはまわっていた腕を離し、その延長線で私の首元に優しく触れた。
近すぎる彼に気を取られていて、そこで気づいた冷たい感覚。首元に視線を下すと桜色の宝石があしらわれたネックレスが。
「誕生日おめでとう」
「たん、じょうび。ありがとう」
そっか今日は4月4日か。忙しくてすっかり忘れてたのもあるけれど、お母さんが亡くなってから誕生日を祝ってくれることも無くなったから。何年ぶりだろ、祝われたのは。
先に体を起こしていた恭介さんは驚きすぎて未だに倒れ込んでいる私の手首を引っ張る。エスコートされ、部屋の真ん中に連れられた。
「特別な夜に一緒に踊ってくれますか?」
彼はそう言って手の甲に唇を落とす。普段着で、普通の部屋なのになんだかダンスパーティーに来ている気分だ。
「私踊れないよ?」
「知ってる、俺がエスコートするから大丈夫」