本当の悪役令嬢は?
「ミリアンがさりげなく邪魔してくれて助かったよ……」
「ええ、だって見ていても気持ちのいいものじゃなかったし。キラキラした上品な顔して、やることがスケベ親父なんて、私も絶対に結婚したくないって思ったわ」
 
 セドリックが体に触れようとしたり、二人きりになろうとしたりするとミリアンは「お姉さま~」とか「セドリック様」と二人の間に割り込んできて、さりげなく引き離してくれた。
 
 周囲の人間にはミリアンがセドリックに恋をして、二人の間を邪魔しているようにしか見えなかっただろう。
 
 ――ノエルもミリアンも、そう見えるように演技をしたのだから。
 
 二人きりの時間を邪魔するミリアン。
 そのミリアンを邪険にして、陥れようとするアドリーヌ(ノエル)
 
 ミリアンの不思議な魅力に周囲含むセドリックはあっという間に彼女に夢中になり、彼女の言うことはなんでも信じるようになった。
 
 二人結託して「婚約破棄に持って行き、貴族社会から逃げ出す」策を立てたのだ。
 
 ミリアンが『天性の愛想の良さ』を持っていたのでそれを最大限に利用した。
 人によってはきっと『魅了』と呼ぶのだろう。

「でも、この私の持つ『能力』のせいで、いやなことばかりだった。母はそんな私の性質にきづいてまだ小さいのに高級娼婦にさせようとするし、大人にさらわれそうになるし、道の真ん中で襲われそうにもなった。……だから私、わざと汚い格好をして汚い言葉を使って、粗暴な態度をとってた」
 
 それが慣れて矯正するのが大変だったけれど、とミリアンは笑う。





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