【コミカライズ配信中】アデル~顔も名前も捨てた。すべては、私を破滅させた妹聖女を追い詰め、幸せをつかむため~
私の手を引きながら、シリウスが「上についたら話がある」と告げた。それに「はい」と頷く。
ソニアとライアンは入り口を見張ってくれているため、ここにいるのは私達だけ。足音だけがらせん階段にこだまする。
私とシリウスは、黙々と階段を上った。
最後の一段に足をかけ登りきった瞬間、視界が一気に開けた。
ぐるりと360度。アストレア王都を一望できる美しい絶景に、私は息を呑んだ。
「ようやく、二人で登れたな」
隣に立つシリウスが、静かに呟いた。
『ええ。それにしても長い階段でしたね』――と言おうとして、私はふと違和感を抱いた。彼の言葉のニュアンスに、若干の引っかかりを覚えたのだ。
見上げると、透き通った青空を背景に、シリウスが優しいほほ笑みを浮かべていた。
「一緒に、ここへ来ることが出来て良かった。――エスター」
その一言に、私は思わず息を呑み固まった。
ソニアとライアンは入り口を見張ってくれているため、ここにいるのは私達だけ。足音だけがらせん階段にこだまする。
私とシリウスは、黙々と階段を上った。
最後の一段に足をかけ登りきった瞬間、視界が一気に開けた。
ぐるりと360度。アストレア王都を一望できる美しい絶景に、私は息を呑んだ。
「ようやく、二人で登れたな」
隣に立つシリウスが、静かに呟いた。
『ええ。それにしても長い階段でしたね』――と言おうとして、私はふと違和感を抱いた。彼の言葉のニュアンスに、若干の引っかかりを覚えたのだ。
見上げると、透き通った青空を背景に、シリウスが優しいほほ笑みを浮かべていた。
「一緒に、ここへ来ることが出来て良かった。――エスター」
その一言に、私は思わず息を呑み固まった。