【コミカライズ配信中・書籍化決定】アデル~顔も名前も捨てた。すべては、私を破滅させた妹聖女を追い詰め、幸せをつかむため~
 私への攻撃をライアンと騎士達、ソニアが必死に防ぎ、応援する。

 みんなに守られながら、私はもう一度、声を張り上げた。
 

「あなたは、もう終わりよ。ご愁傷様――!」

 
 憐れみを込めて、私は叫んだ。


「許さない! 死ねッ、アデル・シレーネ!」と強い殺意に満ちたミーティアの声が響き渡る。その瞬間。

 
 ズブリと――、剣の切っ先が背中から胸へ、ミーティアの体を貫通した。

「……ぁ」と呻き声を上げ、彼女が振り返る。視線の先には、両手で柄を握りしめ、深々と刃を突き立てるシリウスの姿が。

 ミーティアは「ああ……そういうこと……」と呟いた。

「アデルは(おとり)。寄ってたかって、みんなであたしを……殺そうとしたわけだ」

 心臓を貫かれてもなお、ミーティアは余裕の表情を浮かべている。

「無駄なんだよ。だって、あたしはっ――」


 主人公なんだから――!

 
 ミーティアがひときわ大きく叫んだ瞬間、茨は一瞬にして消え去った。

 目は落ちくぼみ、頬はこけ、皮膚が垂れ下がる。ぴんと伸びていた背骨は、自重を支えきれず丸まった。
 
 
 彼女は、急速に老いていた。

 
 ……というより、肉体が崩壊した、といった方が正しいのかもしれない。
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